自己株式(金庫株)
自己株式(金庫株)の概要
平成13年商法改正により従来原則的に禁止であった自己株式の取得・保有が解禁されました。
- 定時株主総会の決議により、次の総会終結までに取得できる自己株式の種類・総数・取得価格の総額を定めることにより自己株式を取得できる。
- 自己株式の保有期間・取得数量の制限撤廃
- 取締役会の決議により自己株式を
(1)消却(商212条)
(2)合併・会社分割等に際の代用株式としての使用(商409条ノ2)
(3)新株発行と同様の手続の上の売却(商211条)
ができるようになりました。
また、平成15年の商法改正により
- 定款に取締役会決議による自己株式取得を行う旨を定めた場合には、取締役会決議のみで自己株式を取得できるようにもなりました。
自己株式の別名でもある金庫株とは、英語でのトレジャリー・ストック(treasury stock)の直訳です。
自己株式(金庫株)の取得
- 自己株式の取得の方法
- 定時総会の決議により、自己株式を買受け(商法210条)
- 取締役会の決議により、子会社が有する自己の株式の買受け(商法221ノ3)
- 株式交換・会社合併・会社分割・株式譲渡制限の設定の際の反対株主の株式買取請求による買受け
- 会社合併に際し、消滅会社が所有する株式を継承して自己株式取得
- 定時株主総会における決議
上記A、B以外の場合、定時株主総会の決議を要する(商法210条第1項)
[決議事項]次の決算における定時株主総会終結のときまでに- 買受ける株式の種類と総数
- 買受ける株式の取得価格の総額(上限は下図のとおり)
- 特定の者から買受ける場合、その者の住所・氏名等(非公開会社は必須決議 →非上場会社の自己株式取得)
| 注1)取得価格の総額の上限 |
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非上場会社の自己株式取得
自己株式を取得するには、上場会社や店頭公開会社であれば市場において株式を取得することができますが、非上場会社が自己株式を取得する場合は相対取引での取得のみになります。したがって、上記2-B特定の者から買受ける際の決議を行うことが不可欠になります。
したがって、平成15年商法改正にある取締役会のみで自己株式を買い付けることを決議できる定款の定めというものは意味をもちませんので、注意が必要です。
自己株式取得の数量の上限
平成13年商法改正により、自己株式の取得数量の上限であった「発行済株式総数の1/10以下」という規制が撤廃になりましたので、取得数の上限はなくなりました。
では、取得価格の総額の上限内であれば、発行済株式全部を自己株式とすることができるのかという問題がありますが、自己株式については議決権が認められていないので、株式を全部取得すると次回株主総会において議決権を有する株主がいないことになり、商法上は全部取得に関する条文はありませんが、当然に全部取得は許されないと解されています。
