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株式移転による完全親会社の設立

株式移転とは、会社が単独又は共同してその親会社を設立するための制度です。(商法364条1項)
完全子会社が先にあり、その子会社が完全親会社を設立するという形、即ち子が親を作るといった通常の生物とは逆の流れになるのでイメージがつかみ難いかもしれません。
大まかには下のとおりです。

株式移転による完全親会社の創設の概要

  1. 完全子会社となるA・B社の株主の有する株式を“株式移転”により完全親会社(持株会社)となるC社に移転(商364条2項)
  2. C社はA・B社の株主に新株を割当
  3. すなわちA・B社の株主の有する株式が"株式移転"により移転され、その株式に相当するC社の株式が交付されることになる。

※ A・B社の株式がC社設立の際に現物出資されると考えるとイメージしやすいかも。

  1. 移転後は、各子会社の株主は完全親会社となるC社の株主となる。
  2. C社はA社・B社の完全親会社(持株会社)となる。

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株式移転の手続の流れ

  1. 完全子会社となる既存会社の取締役会
    1. 株式移転に関する株主総会の議案要領の定め
    2. 株主への株式割当に関する事項の定め
  2. 会社の貸借対照表・損益計算書等を株主総会の2週間前から本店に備置く(商366条、365条1項、353条3項、232条)。
  3. 完全子会社となる既存会社の株主総会の特別決議(商365条3,353条4,343条)
    1. 設立する完全親会社の定款の規定
    2. 設立する完全親会社が株式移転に際し発行する株式の種類・数、子会社株主への株式の割当に関する事項
    3. 設立する完全親会社の資本の額、資本準備金に関する事項
    4. 設立する完全親会社の取締役及び監査役
  4. 親会社の株式の割当(商365条1項2号)と子会社の株券・端株券の失効手続
    1. 株券の提出及び失効の公告・株主への通知
    2. 提出の有無にかかわらず子会社の株券は一律に無効となる(商368条)
  5. 完全親会社の設立登記
    1. 株式移転の効力発生
    2. 完全子会社の元株主 → 完全親会社の株主へ(商364条2項)
  6. 株式移転事項の記載書面の事後開示
    以下の事項についての書面を株式移転の日から6ヶ月間本店に備置かなければならない。(商371条3項、360条1項)
    1. 完全子会社に現存する純資産額
    2. 株式移転により移転した完全子会社の株式の数、その他の事項

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株式移転の効力発生日は?

設立される完全親会社の登記が本店所在地においてなされたとき(商370条)。
すなわち完全親会社の設立日。

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手続と株主の保護

  1. 株主総会の特別決議による承認(商365条)
  2. 株式移転の議案の事前開示(商366条)
  3. 反対株主の株式買取請求権(商371条、355条)
  4. 株式移転に関する事項の事後開示(商371条、360条)
    • 株式移転には“簡易”による方法はない。

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株式交換・移転共通事項

株式交換・株式移転についての共通事項についてはこちらまで

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