株券の廃止
平成16年10月1日の商法一部改正において「株券不発行制度」が始まりました。
株券廃止制度の概要
商法227条の規定により、会社は株券を発行しない旨を定めることが出来るようになりました。株式譲渡制限会社の規定を合わせると、株券については以下の会社が存在することになります。
- 株券発行会社
- 株券不発行会社(株券廃止会社)
- 準株券不発行会社(株式譲渡制限会社における)
株券不発行会社
定款の規定を変更することにより、株券を発行しない旨を定めることにより株券不発行会社となります。(商法227条1項)
但し、条文上は株券廃止会社の要件として公開・非公開の区別はありませんが、公開会社については新保管振替制度に移行前に株券廃止会社になると上場廃止となるため、事実上移行前の株券廃止はないと思われる。
準株券不発行会社
小規模な閉鎖会社では株券を発行することはコストがかかり、流動性も低いのでメリットも薄く、現実には株券を発行しない会社が多く存在しました。そこで、商法226条ノ2第1項「株券ノ所持ヲ欲セザル旨ヲ会社ニ申出ヅルコトヲ得」によって結果的に株主全員が株券不所持の申し出をしたために株券が不発行であるという建前で運用してきました。しかし、当初から株券が発行されていないということは厳密には違法な状態でした。
しかし、今回の改正で226条第1項に但書「但シ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定款ノ定アル場合ニ於テ株主ヨリ株券発行ノ請求ナキトキハ此ノ限ニ在ラズ」を加えたことにより株式譲渡制限会社のみではありますが、当初よりの株式不発行も違法ではなくなりました。
即ち、
- 改正前
- まずは株券を全部発行(←大半の会社がこれをしない)
- 株券の所持をしたくない株主が株券を添えて申出る
- 全員が株券不所持の株主になる
- 全株券が不発行となる(但し申し出があれば株券を発行しなければならない)
- 改正後
- 最初から全株券は不発行(株式譲渡制限会社に限る)
- 株券の所持をしたい株主が発行を申出る