司法書士・土地家屋調査士井本須美尾事務所
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会社法 -- 商法との変更点 

会社法とは?

今、会社に関する法律で「新会社法」について取りざたされることがよくありますが、現行法では「会社法」という法律は存在せず、「商法」及び「有限会社法」その他周辺法律を含めて会社法と総称しています。

このたび、「有限会社法」が廃止になるとともに、ここ数年多岐にわたって行われたため複雑になった商法改正の整合性を取るため、「会社法」が去る平成17年6月29日成立、同7月26日公布されました。
平成18年5月1日に施行されました。

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最低資本金の廃止

新会社法施行に伴いいわゆる「最低資本金制度」が廃止されます。したがって、「確認会社制度」による会社設立もなくなります。

但し、資本金制度そのものは存続しますので、資本金0円という株式会社は存在しません。また、純資産300万円未満の会社は配当が出せないという制約が新設されました。

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株式会社設立時の払込金保管証明書の要否

現行法では設立時に発起人や引受人が資本金となる金額を払い込んだ証明として、取扱金融機関の払込金保管証明書が必要とされていました。

新会社法では、発起設立の場合において、払込の証明を払込金保管証明書に限定せず、銀行等の残高証明などで足りるとされました。

ただし、募集設立の場合は株式引受人保護の見地から従前のまま払込金保管証明書が必要であるとされています。

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既設の確認会社はそのまま存続できるのか?

新会社法施行により最低資本金が撤廃され、「確認会社」でなくとも1円以上の資本金があれば設立できることとなりました。

では、既存の確認会社はそのままスライド的に存続できるのかというとそうではありません。

確認会社にはその登記の中に「解散事由」の登記があり、定款にもその旨が記載されているので、株主(社員)総会により定款変更及び変更登記をして、解散事由を削除しなければなりません。

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有限会社の廃止

新会社法施行とともに有限会社法は廃止されます。それに伴い、有限会社も法律上は株式会社に一本化されます。
但し、今まで有限会社であった会社が新法施行と同時に株式会社になるわけではなく、有限会社の呼称は存続します。

少しややこしいのですが、「有限会社」と名乗るが実態は「株式会社」という「特例有限会社」と呼ばれる会社になります。 有限会社法が廃止になった以上、特例有限会社は、株式会社なのですが商号に「有限会社」を名乗りつづける限り改正前の有限会社とほぼ同じ運営が可能です。

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類似商号禁止の規制廃止

会社法では商法第19条にあった「他人ガ登記シタル商号ハ同市町村内ニ於テ同一ノ営業ノ為ニ之ヲ登記スルコトヲ得ズ」及び商業登記法第27条の類似商号の登記の禁止の規定が廃止されました。

理由としては、通信・交通の発達した現代において同一市町村の類似商号を規制することは実態として余り意味を持たないことなどが考えられます。

ただし、不正競争目的の類似・同一商号の登記などは不正競争防止法などによりすることが出来ず、損害賠償の請求をすることによりカバーされることとなる。

また、同一本店所在同一の商号の会社を設立又は変更をすることは、これまでも先例により禁止されていましたが、この度の改正商業登記法でも27条にこれを禁止する旨が明記されました。

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監査役の権限の範囲と退任事項

監査役の任期は選任後(改正前:就任後)4年以内に終了する最終の事業年度の定時株主総会の終結時までということに関しては、起算日を除き基本的には変更がありません。

ところが、資本金1億円以下(旧法でいうところの小会社)の会社株式譲渡制限がない会社は5月1日以降注意が必要です。
というのは、上記の会社は新法施行以降、監査役の退任事由が発生するからです。

もともと、監査役には「会計監査」と「業務監査」の権限があり、その権限を与えることを前提に株主総会で選任します。

しかし、資本金1億円以下の会社の監査役には「会計監査」の権限のみで、「業務監査」の権限はありませんでした。

ところが、会社法ではその規定がなくなり監査役には原則的に「会計監査」と「業務監査」の権限が与えられることとなり、例外として「非公開会社」、すなわち旧法でいう譲渡制限の規定を設けている会社のみ権限を「会計監査」に限るとしており、「資本金1億円以下、株式譲渡制限無し」の会社の監査役には自動的に「業務監査」の権限が付与されることになりました。

しかし、株主が監査役を選任したとき、監査役に与えたのは「会計監査」の権限のみで、「業務監査」の権限までは与えておらず、与えた権限と新法施行後付与される権限で整合性が取れなくなり、「監査役の退任事由」が発生することとなり、監査役改選の必要性がでてしまうことなりました。

したがって、上記にあてはまる会社は監査役を変更する役員変更登記をする必要が発生するわけです。

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会社の分類の細分化

 このたびの会社法により、有限会社が株式会社に一本化される一方、株式会社において商法上分類されていた大会社・中会社(みなし大会社を含む)・小会社の区分はなくなり、

  1. 大会社
  2. 非大会社
のみの区分となりました。

一方、その他の分類として

  1. 非公開会社(株式譲渡制限会社)
  2. 公開会社
  1. 委員会設置会社
  2. 委員会設置しない会社
さらに、非大会社のうち
  1. 会計監査人を置く定めがある会社
  2. 会計監査人を置く定めがない会社
非公開会社のうち
  1. 取締役会を置く会社
  2. 取締役会を置かない会社
などがあり、40通りほどの会社の分類(機関設置)が株式会社のみで存在することになります。

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