電子定款 
平成14年1月15日から運営が開始された「公証制度に基礎を置く電子公証制度」に基づく電子公証サービスを利用して認証された定款をいわゆる「電子定款」と世間では呼んでいるようです。
従来の紙ベースの定款と何が異なっていて、どういったメリットがあるのでしょうか?
現時点においては、一番大きなところとして「認証を受ける際の定款に貼るべき収入印紙4万円が不要」ということです。
電子定款の流れ
以下は電子公証サービスを利用した定款認証を受ける行程です。
- 定款を作成します。現在は通常ワードプロセッサを使うと思いますが、手書きでも問題ありません。
- Adobe Acrobat(R)を使用して定款をPDF形式に変換します。手書きの定款の場合はスキャナなどで読み取り画像ファイルにした後、PDF化します。
- 変換した定款のPDFファイルに(株)日立製作所の「署名プラグインTYPE-J」又はそれに準拠するプラグインを使用して、自分の電子署名をします。
- 公証人の元へ出向き、依頼者の委任状・印鑑証明書とともに電子署名済定款PDFファイルを格納したフロッピーディスクを提出し、電子署名の有効性確認・電子公証サービスによる定款認証を受け、認証済定款ファイルを持参フロッピーディスクに書き込んでもらいます。
- このフロッピーが認証済定款の原本になるわけです。
電子定款を受けるための事前準備
電子定款を受ける際には、いろいろ必要なものがあるのですが、上記の流れの中で赤字で記述している物は最低限必要なものです。
| no. | 製品名 | 用途 | 参考価格 |
|---|---|---|---|
| 1 | Adobe Acrobat | 書類をPDF形式に変換します | 7.0 Standard 36,500円(税込/楽天市場) 7.0 Professional 57,500円(税込/同) |
| 2 | 日立製作所 署名プラグインTYPE-J | PDFファイルに電子公証サービス対応の電子署名をします | 18,900円 (日立サイト直販価格) |
| 3 | 電子証明書 | PDFファイルに電子署名をするための証明書です | 行政書士用電子証明書(タイプ1‐G)14,700円(2年) AccreditedSignパブリックサービス2(JCSI)18,000円(2年) |
| 合計 | 70,100〜94,400円 Acrobatの値段は参考価格 行政書士用電子証明書は行政書士以外は取得不可 |
以上のように最低でも約7〜10万円前後の費用がかかります。(PCやワードプロセッサソフトなどを持ってない人はそれらも必要。最近のPCはFDDを搭載してないこともあるので、なければFDDも必要。)
自身で設立する方は3社ほど会社を作ると元が取れる計算ですが、一般にはそんなに何社も短期間には設立しないでしょう。(短期間とは2年又は3年以上経過すると電子証明書を継続する必要があるため継続費用がかかるからです。)
また、電子証明書やAdobe Acrobatなどは他にも用途がありますが、署名プラグインは現在のところ電子公証以外には用途がないでしょう。
実のところ、電子公証サービスは一般の個人が利用することをあまり考慮しているとはいえないのが現状です。
会社設立登記に必要な費用・手続
電子公証も含め、設立に必要な経費というものは以下のとおりです。
| 株式会社 | 有限会社 | |||
|---|---|---|---|---|
| 種別 | 電子定款 | 紙定款 | 電子定款 | 紙定款 |
| 定款認証費用 | 5万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 |
| 定款貼付収入印紙 電子定款だと不要な費用 |
0円 | 4万円 | 0円 | 4万円 |
| 登録免許税 (設立登記) |
15万円 | 15万円 | 6万円 | 6万円 |
| 合計 | 20万円 | 24万円 | 11万円 | 15万円 | 摘要 | 上記は誰が設立手続をしてもかかってくる費用です。 |
通常はこの他にも
- 発起人、役員等の個人の印鑑証明書
- 定款の謄本(金融機関に提出)
- 登記簿謄本・全部事項証明書(金融機関・税務署等に提出)
- 印鑑証明書(同上)
また、この間に法務局に最低1〜2回(類似商号調査や目的の適格性等)、公証人役場に1回は出向く必要があり、その費用・経費も必要です。